石川 暁章

「それにくらべれば」

 

以前、3回目のコロナワクチンを接種してきました。

2回目の接種の時に受けた副反応があまりにも酷かったので、さすがに学習して万全の体制で3日間の休みをもらい挑んだのですが・・・結果は受難の3日間でした。

全身関節痛と倦怠感、39℃の発熱、おまけに前回には無かった左脇のリンパが腫れ、腕が動かせず激痛で2時間起きに目が覚め、解熱剤も効いているのか効いていないのか。

朦朧としながらテレビを点けると、延々とウクライナ関係・沈没船引き上げ・4630万円でネットカジノ・いのちの電話サービスのお知らせ。

さすがに体力的にも精神的にも限界がきたので再度寝ることに。

気がつくと、夢の中で子供の時の体験を見ていました。

 

40年近くも前、8月の実家での夜のこと。蒸し暑く、当時はクーラーも音が喧しく近所に迷惑が掛かるため、枕元に扇風機と麦茶を置き、祖母の部屋で寝ながら、祖母が隣で聞かせてくれたこと。戦争の話。

高知大空襲の時、B29爆撃機からの焼夷弾が高知の街の夜空一面に降ってきた時、祖母と曾祖母が近くの防空壕まで逃げた時には、すでに防空壕はいっぱいで誰も入れず、夜中じゅう必死で走って逃げて何とか命は助かったこと。次の日、その防空壕に行くと、爆弾が直撃してみんな焼け死んでいたこと。家も焼けて、生きていくために着物や家宝の刀を売ってお米に変えたこと。先祖が守ってくれた命を大事にすること。夏の花火大会を見るたびに花火が上がる音が焼夷弾と同じで心地悪いと言っていること。そんな話を不思議そうに寝ながらずっと聞いている。それは間違いなく幼少期に体験した出来事でした。

 

高熱で心と身体が弱っていたので、見たニュースの情報を元に脳が過去の記憶を呼び覚ましたのか、何かが降りてきたのかはわかりません。

ただ言えるのは、『それにくらべれば』の一言だということ。

 

コロナ? 副反応? 物価上昇? それにくらべれば平和です。

ニュースの中身もすべて道徳に反している事が原因なだけ。

何があっても生きていればなんとでもなるのです。

人間は弱くないし、簡単に死ねない様になっているのです。それは死んだらいけないという事を代々意味のある言葉で伝えられて教わってきているからです。

夢に出てきてくれてありがとう。感謝の一言です。

 

祖母方の先祖は海軍で水上機母艦能登呂に乗艦していた記録があります。祖父は学徒出陣で中国大陸に行っていた事を昔聞きました。何年か前に誰もいなくなった祖父の家を叔母に開けてもらい記憶を辿ろうとした時に、部屋の壁にかけてあった掛け軸の写真を撮りました。

子供の頃から何百回も見たこの掛け軸。この歳になって、初めて言葉と意味を知りました。

 

[勤倹力行(きんけんりっこう)]

仕事に励み、無駄遣いせずに努力して物事を行うこと。

 

 

もっと早く教えてほしかった・・・

こんな風にならなくて済んだんじゃないのか・・・

 

 

そろそろ墓参に行ってきます。

 

 

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