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マイホームの予算の決め方|後悔しないための計画ステップ

マイホーム購入は、人生における大きな決断です。
夢のマイホームを実現するためには、綿密な予算計画が不可欠です。
漠然とした不安を抱えたままでは、後悔のない選択はできません。
この記事では、新築マイホームの予算計画を段階的に解説し、賢く予算を決めるためのヒントをご紹介します。
具体的な計算例やシミュレーション方法も提示しますので、ぜひ参考にしてください。

マイホーム予算の全体像

現金と住宅ローンのバランス

マイホーム購入資金は、大きく分けて「現金(住宅資金)」と「住宅ローン」の2つがあります。
まず、手持ちの貯蓄から、引越し費用、生活予備費、将来のための貯蓄などを差し引いた金額を住宅資金として確保しましょう。
引越し費用は家族構成や住宅規模によって異なりますが、4人家族の場合、引越し代と最低限の家具・家電購入費で50万円~60万円程度を見積もるのが無難です。
生活予備費は、病気やケガ、災害などに備え、生活費の3ヶ月~半年分を目安に残しておきましょう。
将来のための貯蓄(教育費、老後資金など)も、住宅資金から除外して計画的に積み立てていくことが重要です。
残った金額が、マイホーム購入に充当できる現金となります。

年収と返済負担率の確認

住宅ローンの借り入れ可能額は、年収と返済負担率によって大きく左右されます。
返済負担率とは、年収に対する年間返済額の割合のことです。
一般的に、返済負担率は25%以内であれば比較的安心といわれています。
例えば、年収400万円の場合、年間返済額は100万円(400万円×25%)となり、月々の返済額は約8.3万円(100万円÷12ヶ月)となります。

ただし、これはあくまでも目安であり、個々のライフスタイルや家族構成、その他の借入状況などを考慮して、無理のない返済計画を立てる必要があります。
家計簿をしっかりとつけて、毎月の支出を把握し、余裕のある返済額を設定しましょう。
現在の家賃や光熱費、食費などの支出を参考に、住宅ローン返済額を含めた生活費を試算してみましょう。

頭金諸費用を含めた総額

マイホームの購入には、住宅ローン以外の費用も必要です。
それは頭金と諸費用です。
頭金は、住宅ローンの借り入れ額を減らし、月々の返済額を抑えるために用意する現金です。
一般的には、購入価格の1~2割程度を目安としますが、状況に応じて調整しましょう。

諸費用には、仲介手数料、登録免許税、不動産取得税、ローン保証料などがあります。
新築マンションの場合、物件価格の3%~6%、中古マンション・一戸建ての場合、5%~10%、新築一戸建て・注文住宅の場合、4%~10%程度が目安となりますが、物件によって大きく異なるため、事前に確認が必要です。
これらの費用をすべて合計した金額が、マイホーム購入の総額となります。

将来的な維持費の試算

マイホームを購入したら、住宅ローンの返済以外にも、様々な維持費がかかります。
一戸建ての場合、固定資産税、都市計画税、火災保険料、地震保険料、修繕費用などが挙げられます。
マンションの場合には、管理費、修繕積立金、固定資産税などがかかります。
これらの維持費は、年間で数十万円から数百万円に及ぶ可能性があり、年間予算に含める必要があります。
特に修繕費用は、想定外の金額になる可能性があるため、余裕を持った計画を立てましょう。

賢い住宅ローンの選び方

金利の種類と比較

住宅ローンには、固定金利型と変動金利型の2種類があります。
固定金利型は、返済期間中ずっと金利が変わらないため、金利上昇のリスクがありません。
変動金利型は、金利が定期的に見直されるため、金利が下がれば返済額が減りますが、逆に金利が上がれば返済額が増えるリスクがあります。
それぞれのメリット・デメリットを比較検討し、自身の経済状況やリスク許容度に合わせて最適な金利タイプを選びましょう。

返済期間と返済額のシミュレーション

返済期間は、長くすれば月々の返済額は減りますが、支払う総利息は増えます。
逆に、短くすれば月々の返済額は増えますが、支払う総利息は減ります。
返済期間と返済額をシミュレーションし、家計への負担と支払う総額のバランスを検討しましょう。
住宅ローンのシミュレーションツールを活用すれば、様々な条件での試算が容易に行えます。

保証制度と保険の種類

住宅ローンには、保証制度や保険が用意されている場合があります。
保証制度は、万一の返済不能時に債務を肩代わりしてくれる制度です。
保険は、火災や地震などの災害による住宅の損害を補償するものです。
これらの制度や保険の内容をよく理解し、必要に応じて加入を検討しましょう。

マイホーム予算の決め方

優先順位を決める

マイホームの予算を決める上で重要なのは、何にどれだけの費用を割くのかを明確にすることです。
土地の広さ、建物の広さ、設備仕様、デザインなど、希望する条件をリストアップし、優先順位を付けましょう。
優先順位を明確にすることで、予算内で実現可能な範囲を絞り込むことができます。
例えば、広い土地を優先するなら、建物の広さや設備仕様をシンプルにするなど、トレードオフの関係を意識することが大切です。

希望条件との調整

優先順位を決めたら、希望する条件と予算を比較し、調整が必要です。
予算オーバーの場合は、希望条件を見直す必要があります。
例えば、土地の広さを狭くしたり、建物のデザインをシンプルにしたり、設備仕様を見直したりすることで、予算を抑えることができます。
妥協点を見つけるためには、複数の住宅会社を比較検討し、様々なプランを提案してもらうことが有効です。

予算オーバー時の対処法

予算オーバーになった場合、住宅ローンを組む期間を長くしたり、頭金を増やしたり、希望する条件を見直したりするなどの対処法があります。
また、住宅購入資金を貯蓄などで増やす時間を作るため、購入時期を遅らせるという選択肢もあります。
無理のない返済計画を立てることが、マイホーム購入後の生活の安定につながります。

予算計画の見直しと管理

定期的な見直し

予算計画は、一度立てたら終わりではありません。
定期的に見直し、修正していく必要があります。
ライフイベントの変化(結婚、出産、転職など)や金利変動などによって、当初の計画通りに進まない可能性があります。
そのため、少なくとも年に一度は予算計画を見直し、必要に応じて修正しましょう。

支出の記録と管理

マイホーム購入後の支出を把握し、管理することも重要です。
家計簿アプリなどを活用し、毎月の支出を記録することで、無駄な支出を削減し、計画的な資金管理を行うことができます。

想定外の費用への備え

マイホーム購入後には、想定外の費用が発生する可能性があります。
例えば、住宅設備の故障や修繕、リフォームなどです。
そのため、予期せぬ費用に備えて、一定額の貯蓄を確保しておきましょう。

まとめ

マイホームの予算計画は、現金と住宅ローンのバランス、返済負担率、頭金と諸費用、将来的な維持費などを考慮して、段階的に進める必要があります。
希望条件と予算のバランスを調整し、無理のない返済計画を立て、定期的な見直しと管理を行うことが大切です。
そして、想定外の費用にも備えて、余裕を持った計画を立てましょう。
専門家への相談も有効な手段です。
これらのポイントを踏まえることで、後悔のないマイホーム購入を実現できるでしょう。

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