百々 知夏

上棟式とは?初めてでも安心!準備から当日の流れまで解説

夢に描いたマイホーム、いよいよ建築が始まりますね。
これから待ち受ける様々な工程の中で、初めて耳にする言葉や、準備に戸惑う場面もあるかもしれません。
その一つが「上棟式」です。
この儀式は、家づくりの大切な節目であり、同時に、これから始まる生活への期待感と喜びを高める機会でもあります。
今回は、上棟式をスムーズに進めるための情報を、分かりやすく簡潔にまとめました。
初めて上棟式を迎える方にも、安心して準備を進められるよう、重要なポイントを厳選してご紹介します。

上棟式とは何か?

上棟式の目的と意味

上棟式は、木造住宅の建築において、柱や梁などの骨組みが完成し、屋根の棟木が取り付けられたことを祝う儀式です。
棟上げ、建前と呼ばれることもあります。
古くから行われてきた神事で、家屋の守護神と大工の神を祀り、工事の安全と完成、そして建築後の家内安全を祈願する意味合いを持っています。
近年は簡略化されるケースが増えていますが、一生に一度の大切な儀式として、家族や関係者と喜びを分かち合う機会でもあります。
上棟式を行うかどうかは施主の判断ですが、職人への感謝の気持ちを表し、良好な関係を築くためにも有効な手段と言えるでしょう。
プレハブ工法や2×4工法など、棟上げの工程がない工法の場合でも、上棟式を行うことは可能です。

上棟式の一般的な流れ

上棟式の流れは、正式なものと略式のものがあります。
正式な上棟式では神主を招き、神事として執り行われますが、近年では、棟梁や現場監督が中心となって行う略式が主流となっています。
略式の場合でも、基本的な流れは共通しています。
まず、棟梁が棟木に幣串(へいぐし)と呼ばれる飾り物をつけ、祭壇に神饌(しんせん)を供えます。
その後、棟梁が建物の四隅に水、塩、米、酒をまいて建物を清める「四方固めの儀」を行い、棟梁や施主、関係者による祈願が行われます。
祈願の後には直会(なおらい)と呼ばれる宴会が行われ、関係者への紹介、施主の挨拶などが行われます。
最後に、ご祝儀などが配られ、式は終了します。
直会は省略されることも多いですが、関係者と親睦を深める貴重な機会となります。

上棟式の準備と必要なもの

上棟式をスムーズに進めるためには、事前の準備が不可欠です。
まず、参加人数の確認が必要です。
一般的には、施主家族に加え、棟梁、現場監督、職人など7~15名程度が参加します。
参加人数を把握することで、ご祝儀、引出物、食事などの準備がスムーズになります。
次に、準備する品物です。
米、塩、酒、果物などの神饌、餅やお菓子(餅まきを行う場合)、ご祝儀、食事、飲み物などが挙げられます。
地域によって異なる場合もあるので、事前に担当者と確認することをお勧めします。
上棟セットとして販売されているものもあるので、利用するのも一つの方法です。
また、棟札(むなふだ)という、神様への奉納札も必要です。
神社で購入できます。
これらの準備は、着工から1ヶ月~1ヶ月半前には開始するのが理想的です。

上棟式の費用とご祝儀

費用相場と内訳

上棟式にかかる費用は、簡素なものであれば10万円程度、盛大なものだと30万円程度になります。
費用の内訳は、お供え物、ご祝儀、宴会などの飲食費が中心です。
お供え物は、米、塩、酒、果物など、1万円程度で済むことが多いです。
神主を呼ぶ場合、玉串料などの費用も必要になります。
餅まきを行う場合は、餅代や小銭、お菓子などの費用も加算されます。
宴会は、直会を行う場合と行わない場合で大きく費用が異なります。

ご祝儀の相場と地域差

ご祝儀の相場は、地域差があります。
一般的には、棟梁が1〜5万円、現場監督が0.5〜3万円、その他の職人が1人2000円〜5000円程度です。
しかし、地域によっては、これより高額な場合もあります。
事前に担当者などに相談し、地域の慣習を確認しておくことが重要です。
ご祝儀の金額は、あくまで気持ちです。
無理のない範囲で準備しましょう。

ご祝儀のマナーと注意点

ご祝儀は、上棟式が始まる前に、責任者や現場監督に手渡しましょう。
お礼の言葉と簡単なあいさつを添えて渡すのがマナーです。
祝儀袋は紅白または金銀の慶事用を使用し、金額と氏名を記載しましょう。
ご祝儀と一緒に、手土産を渡すことも多いです。
日持ちする飲み物やお菓子、紅白餅などが一般的です。
手土産は、上棟式が終わって帰る際に渡しましょう。
大工さんへの感謝の気持ちとして、数千円程度のご祝儀やお礼品を用意するのも良いでしょう。
お礼品には、紅白のもろわな結びの水引きと、「上棟式 内祝」や「上棟式記念」と書かれた熨斗をつけると丁寧です。

上棟式の準備スケジュール

準備開始時期と手順

上棟式は、棟上げ後に行われます。
棟上げは着工から1カ月〜1カ月半後に行われることが多いです。
そのため、準備は着工後できるだけ早く開始することが重要です。
まず、参加人数の確認、必要な品物のリスト作成を行いましょう。
次に、ご祝儀の金額や手土産、食事などの準備を進めます。
上棟式の日程は、担当者と相談して、縁起の良い日を選びましょう。
十二直という暦注を参考に、建築吉日を選ぶのが一般的です。

必要な手続きと確認事項

上棟式に必要な手続きは特にありませんが、担当者との連絡を取り合い、疑問点などを解消しておくことが重要です。
参加人数の確認、お供え物や食事の手配、ご祝儀の金額など、事前に担当者と相談し、確認しておきましょう。
餅まきを行う場合は、近隣への配慮も必要です。
事前に近隣住民への挨拶を行うのがマナーです。
また、上棟式を行うかどうか、簡略化するかどうかも、担当者と相談して決定しましょう。

当日のスケジュールと流れ

当日のスケジュールは、棟上げの作業時間や上棟式の形式によって異なります。
棟上げは午前中から始まり、午後には完了することが多いです。
上棟式は、昼食後や午後3時頃の休憩時間に行われることが多いです。
上棟式の流れは、祭壇清め、お祓い、四方固め、祈願、直会、挨拶、ご祝儀の贈呈などです。
略式の場合は、一部の儀式を省略することもあります。
事前に担当者と確認し、当日の流れを把握しておきましょう。

上棟式当日のマナーと服装

服装のマナーとポイント

上棟式は神聖な儀式であるため、服装には配慮が必要です。
ただし、近年は略式の上棟式が増えており、必ずしもフォーマルな服装が求められるわけではありません。
しかし、清潔感があり、落ち着いた服装を選ぶことが大切です。
男性はスーツやジャケット、女性はワンピースやスカートなど、動きやすい服装を選びましょう。
ジーンズやTシャツなどのカジュアルすぎる服装は避けましょう。
アクセサリーは控えめにするのが無難です。
当日は記念写真撮影なども行われるため、身だしなみに気を配りましょう。

当日の言葉遣いと振る舞い

上棟式では、丁寧な言葉遣いを心がけましょう。
参加者への感謝の言葉を忘れずに、謙虚な態度で接しましょう。
騒いだり、大きな声で話したりしないように注意しましょう。
写真撮影など、周囲への配慮も大切です。
神事として行われる場合、神聖な場所であることを意識し、静かに振る舞うようにしましょう。
また、担当者や職人への感謝の気持ちを表すことも忘れずに。

参加者への対応と注意点

参加者への対応としては、笑顔で挨拶し、和やかな雰囲気を作るように努めましょう。
参加者同士が楽しく交流できるような工夫も必要です。
食事や飲み物、休憩など、参加者への配慮も大切です。
特に、高齢者や小さなお子さんへの配慮は欠かせません。
もし、何かトラブルが発生した場合には、冷静に対応し、担当者などに相談しましょう。
また、上棟式後も、関係者への感謝の気持ちを忘れずに、良好な関係を継続しましょう。

まとめ

上棟式は、家づくりの重要な節目であり、関係者への感謝を伝え、今後の工事の安全を祈願する儀式です。
費用や流れは地域差があり、簡素なものから盛大なものまで様々です。
初めて上棟式を迎える方は、事前に担当者と詳細を確認し、準備を進めることが重要です。
参加者への感謝の気持ちと、丁寧な言葉遣い、マナーを心がけることで、より良い思い出となるでしょう。
上棟式を通じて、施主と関係者間の良好な関係を構築し、安心してマイホームの完成を迎えましょう。
そして、これから始まる新しい生活への期待を胸に、素敵なマイホームライフをスタートさせてください。

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